〇 輸送船と運命をともにした多くの軍人
 太平洋戦争における輸送作戦で、輸送船が敵の攻撃により撃沈されていく中で、船と運命をともにした軍人は、30万人を超えたと推計されている。
 南方各地が激戦の中心となっていく中で、満蒙などに温存されていた陸軍の精鋭部隊は、輸送船で占領各地に輸送されていった。しかし、その途中で輸送船が撃沈され、敵に一発の銃弾も撃つことなく多くの軍人が海の藻屑と消えていった。
 6万余人の戦没船員と併せ、これ等軍人の悲劇も銘記さるべきことである。

(注)
参考とさせて頂いた文献
慟哭の海 浅井栄資 著
船舶砲兵 駒宮真七郎 著
大東亜補給戦 中原茂敏 著
戦史叢書 防衛庁防衛研所 戦史室 著
日本商船隊戦時遭難史 (財)海上労働協会