〇 当会設立までの沿革
当会の設立までには、次のような沿革を経ております。
昭和41年9月戦後いち早く、有志の間で戦没船員の記念碑を建立する運動が始められたことをふまえ財団法人日本海事広報協会が中心になってその具体化を図ることになり、運輸省(現国土交通省)、社団法人日本船主協会、社団法人大日本水産会、社団法人海洋会、全日本海員組合、社団法人全国商船学校十一会(現、全日本船舶職員協会)等によって、「戦没船員慰霊顕彰碑建立準備委員会」が組織されました。
昭和44年1月「戦没船員の碑建立会」を設立し建立事業の具体化に踏み出しました。
昭和44年7月「(財)戦没船員の碑建立会」として設立を許可され碑建立へと展開しました。
昭和45年6月起工式を行い、翌46年3月に碑文石の中にかねて調査完了した戦没船員60,331人の名簿を奉安し完成しました。なお、その後の調査で奉安戦没船員は60,643人となっております。
昭和48年5月碑建立の目的を果たしたため「(財)戦没船員の碑建立会」は解散し、同年6月「戦没船員の碑奉賛会」が設立され戦没船員の追悼式典を執り行ってまいりました。
同会は昭和56年4月解散し、その事業は解散と同時に設立された「(財)日本殉職船員顕彰会」に引き継がれました。
〇 当会の設立(戦後の殉職船員奉安)
当会は、昭和56年4月戦没船員の慰霊、顕彰事業に加え、戦後の海難等によって殉職された船員の慰霊とその遺族の援護を行う目的で海事関係団体や行政の支援によって設立されました。
〇 殉職船員の調査と奉安
当会の設立は、戦後かなりの年月を経過していたことから、設立までの殉職船員の調査は、調査表を海運、水産各社に郵送して行いました。
そのため外航分野については、ほぼ殉職船員の把握ができましたが、内航分野については十分な調査が困難でかなりの奉安洩れが生じました。
また、水産分野については、各漁業会社の把握が困難で、調査は大手水産会社のみに限られ実質見送られました。
昭和58年よりは、毎年各海運会社よりの報告や、海事官庁等のご協力をいただき当会で調査し、追悼式の前に慰霊碑に奉安いたしております。
また、実質見送られていた水産分野についても、天皇皇后両陛下のご臨席を賜って執り行われた第30回追悼式(平成12年)を契機に、水産業界等の要請も受け、毎年調査し奉安されております。 |